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毛髪の熱履歴検査

人の毛髪の混入。珍しくない事例ですが、食品製造各社はその対策に苦慮されています。


現在、毛髪がいつ混入したものか=加熱調理を受けているかを調べるには、「カタラーゼテスト」が行われています。


カタラーゼテストは簡便ですが、いくつかの前提条件があります。

まずは、100℃程度の加熱であること。カタラーゼが失活するには100℃程の加熱が必要であり、それ以下の温度は判別できません。

次に、毛根があること。カタラーゼが含まれるのは毛根付近のみです。

つまり、100℃以下の加熱、もしくは毛根の無い毛では、加熱を有無=いつ混入したかを調べることはできません。


そこで、弊社の熱履歴検査が可能か検証してみました。

髪の毛は主成分のケラチン以外に様々なタンパク質などからなっています。

つまり、成分的には爪の分析と同じ方法が適応可能と考えて、色々と実験してみました。

しかし、芳しい結果は何度やっても得られませんでした。



そんなある時、ふと気が付きました。


「ドライヤー」


そうです。ほぼ大半の人がそうだと思いますが、濡れた髪を乾かすのにドアイヤーを使います。その温風の温度はかなり高いように感じました。

調べたところ、どうもその可能性は濃厚なようです。

(参考URL https://www.kao.com/jp/binkanhada/daily_04_05/ )


早速、自宅のドライヤーでも調べたところ、ドライヤーのノズル付近の風は100℃を軽く越えていきます。そして、その温風を普通にあてて乾かしながら髪の毛の温度を計測すると、こちらも70℃を越えていきます(写真は測定した放射温度計の写真)。



一方、爪の熱履歴検査時に確認していますが、人のタンパク質は60℃前後で変質するものが多いようです。



これらの結果を踏まえると、毛根部分を除き髪の毛に含まれるタンパク質は、日常生活の中で既に熱で変質している可能性が高い。このため、熱履歴検査を行っても正確な判断はできないと考えられました。


当然、一度もドライヤーをしたことが無い人の髪の毛なら、判別可能な可能性は否定できませんが、現代の日本でそんな人は乳幼児を除きほとんどいないでしょうね。

また、毛根部分を使えば・・・とも考えましたが、小さい毛根だけでは「量」が足らず、十分な精度で分析できないし、複数回検査して精度を担保することもできません。


つまり、現時点で髪の毛の熱履歴検査は無理と考えるが妥当なようです。残念。

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