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弊社は検査などの業務、社会貢献活動などを通じ、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組んでいます。

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異物混入!どうするの?

食品など商品への異物が混入したという一報!

               誰しも受けたくはないと思いますが、さてどうするか。

各社、対応はマニュアルなどがあると思いますので、流れなどは割愛し、ここでは簡単ですが一般的な検査の方法などをご紹介します。

また、異物検査に対する弊社の考え方を最後に掲載しました。長年検査に携わった検査員の小言と思っていただけると助かります。

「変なものが入っていた!」

いわゆる異物クレームでは、検査内容が多岐に渡るため、その手法も複雑です。

左図が基本的な流れになります。

この中で、最も重要なのが「初見」です。目視及び実体顕微鏡で観察することで、検査の7割が終わると思って間違いありません。

初見の見解をそれぞれ適した手法で確認し、正しい結果を導き出します。当然、初見で間違った場合、どこかで進路修正をしますが、それは検査時間の無駄に繋がります。また、間違った検査で異物を損壊した場合、最悪十分な検査ができなくなることもあります。

初見でどれだけ間違えず絞り込めるか、間違った際に速やかに進路修正できるかどうか、ここが検査員の腕であり、経験と知識に左右される部分です。

なお、右端の結果にたどり着いてからは、より詳しい検査を行う場合があります。例えば、昆虫では詳しい種類の同定やそれに伴う産地の推定です。植物や毛髪であれば、DNA検査による種類同定です。

弊社が実施している「熱履歴検査」はプラスチックや爪などが加熱を受けているかどうかを調べるもので、左図で示した検査が「基本」や「下位」とすれば、「応用」や「上位」と呼べるものです。

以下は異物検査の応用編です。

「色が変!」つまり変色の場合、まずは変色原因となるような異物があるかを調べます。

異物があれば当然、その異物が何であるかを調べると共に、異物を除去すると色調が元に戻ることを確認します。

生物顕微鏡で観察しカビや細菌が繁殖が確認された場合には、必要に応じてカビの同定を行います。なお、カビや細菌が繁殖すると腐敗臭や包装の膨張などが生じることも少なくありません。

製品が金属に触れていた場合、金属元素が溶け込んで変色を引き起こすことがあります。その場合は、金属元素が含まれているかどうかを分析します。

色素の関与した変色は、手法も複雑なので割愛しますが、この図に当てはまらないものも少なくありません。特に製品自体の変質などに伴う変色では、結果が出にくいこともあります。

弊社が行う食肉の熱履歴検査は、「十分加熱しているはずだけど何故かお肉が赤い」というこれまで検査が難しかった事例に対応できる検査技術です。。

最後は「変なにおい」、いわゆる異臭クレームです。腐敗臭であれば、カビや細菌などが繁殖してるかどうかを調べ、必要であれば包装資材のピンホールなどを確認します。

消毒臭や洗剤臭であれば、エタノールや残留塩素(次亜塩素酸が残っているか)、界面活性剤の定量分析を行い、正常なものと数値に違いが出るかを調べます。その前に、現場でどのような消毒薬や洗剤を使用しているかを確認することが必要です。

薬品臭の場合、GC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)による分析が必要になります。

ただし、異臭の検査では検査を行っても十分な結果が得られないことがあります。これは、臭いとその表現には個人の感覚による部分が大きいことがあります。同じにおいをかいでも、人によって表現や感じ方が違うことは経験があると思います。

以上、検査の流れをまとめてみました。ここで掲載したことは、検査におけるほんの入口だけです。個々の検査における細かい技術やノウハウを挙げだすと終りが見えません。顕微鏡で物を見るだけでも、案外ノウハウ的な要素はあるものです。
また、技術以上に経験も重要です。過去に同じことを経験しているかどうかは、検査だけでなく、アフタフォローに大きな違いが生まれてきます。異物が何であるかを調べることは序章に過ぎず、その後に検査結果をどう活用するかの方が重要です。

さらに、お客様から得られた情報も大切です。「困った時に相談できる各方面の専門家」というシンジケートを構築することは、より難しい検査を行うためには必要となるでしょう。

(技術や経験などの話を聞きたいという稀有な方がいらしたら、ぜひご一報下さい)

医療に例えるなら、異物クレームは様々な産業の病気です。その症状は様々です。軽微なものから重篤なものまでやってきます。そして、異物検査は産業における『病理医』や『放射線科医』です。我々の診断結果=検査結果が出なければ治療=クレーム対応や現場対応はできません。結果がもし間違っていたら、治療は失敗するでしょう。

​私共はそのような気概を持って検査に臨むよう心がけており、異物検査における高度医療である「熱履歴検査」を提供しています。